「真田丸」第23話「攻略」感想。小田原征伐~忍城水攻め

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関白・豊臣秀吉は総勢20万を超える大軍勢で小田原征伐を決行した。この時期、明攻めを意識していたはずなので、本当に予行演習のつもりだったのだろうか。ここ数回は北条回といえるくらいに丁寧に描いているように思える。どうせなら千利休つながりで山上宗二にも触れてほしいものだが流石に・・・。まあ真田家のドラマだもんなー。

こんにちは、こんばんは、はじめまして、毎度です(笑)。aoplanning.comの管理人aki(@aoplanning_com)です。

秀吉(小日向文世)が着用している陣羽織が史実なのに驚き、制作スタッフの細やかさに感心した第23話「攻略」であった・・・。

歴史好きの管理人が大河ドラマ「真田丸」レビューを好き勝手に記事投稿します。

それではいってみよう!

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大河ドラマ「真田丸」第23話「攻略」あらすじ

秀吉の命により治部殿が小田原征伐(北条征伐)の陣立を決めた。大きく言うと軍勢は二手に分かれる。東海道からは総大将・近江中納言秀次。東山道からは上杉景勝・前田利家・真田安房守である。徳川家康は秀次の後見役。

小田原城を囲んだ秀吉の勢力は18万。海上にも軍勢が控える。東山道組は上野・松井田城を攻略。

小田原城を見下ろしながら、有名な秀吉と家康の「関東の連れ小便」も描かれた。秀吉は家康に関東への領地替えを打診したと言われる。

北条家中は意見がまとまらないでいた。隠居・北条氏政は籠城策。氏政の頼みの綱は伊達政宗である。

東山道組の景勝・安房守は気分が乗らないでいた。安房守は源三郎信幸に武蔵・忍城攻略を任せる。

氏政の期待とは裏腹に伊達政宗は秀吉に臣従した。政宗は「死装束」であった。これも有名ですよね。この政宗と伊達家重臣・片倉小十郎景綱は、のちに源次郎信繁と深い関わりを持つことになる。

政宗が降ったことで、秀吉は小田原城総攻めをしようとするが、大谷刑部・家康から周りの支城攻略が再優先と提案される。開城していない支城の一つ忍城攻略の総大将は刑部殿の提案で治部殿に決まった。

源次郎信繁は氏政説得を託され刑部殿と家康に呼ばれた。政宗が秀吉に臣従したことにより、北条家中の意見は降伏か徹底抗戦に変わっていたのだ。

北条家重臣・板部岡江雪斎は徳川家重臣・本多正信に相談して、氏政説得の大役を源次郎信繁に白羽の矢を立てた。

江雪斎の手引きにより小田原城に入城した源次郎信繁は、徹底抗戦の北条家臣たちに命を狙われる。そこで予期せぬ人物に出くわす。その人物とは・・・。

豊臣秀次。殺生関白の表現もあるが、文化人・教養人としての一面も
天下人・豊臣秀吉の甥になる豊臣秀次。少年期は叔父・秀吉の立場に振り回され養子に出される。殺生関白の記述もあり、悪行はあったにせよ文化人・教養人であったとも言われる。秀吉により関白・豊臣家の家督を継いだ。これが悲劇の始まりであったのかもしれない。もし関白になっていなかったなら・・・。秀次の最期は壮絶の一言であろう。
大谷刑部少輔吉継。義の人、石田三成との友情~関ヶ原の戦いで散る
大谷吉継の前半生は少し謎の部分が多いです。「秀吉の隠し子説」は根拠がないが好きな話です。奉行としては優秀だったようです。大谷刑部に関しては賛否両論があり過大評価なんて声もあります。あまり解明されていないからミステリアスでもあり、人気があるのかもしれません。やはり関ヶ原の戦いでの強烈な奮戦と死に様でしょうか・・・。
本多正信。家康の名参謀、子・正純は宇都宮城釣天井事件で失脚
本多正信は徳川家康に「友」と呼ばれ、家康・秀忠に仕えた。相模国玉縄藩主。従五位下・佐渡守。本姓は藤原氏。江戸幕府・老中。家康の征夷大将軍就任のため朝廷との交渉に尽力。本願寺内部の対立を利用し分裂させ勢力を弱めている。江戸幕府では権勢を誇る。嫡男・正純に訓戒を残しているが、正純は「宇都宮城釣天井事件」にて失脚している。

滅亡へ向かう北条家

滅亡へ向かう北条家の前当主で隠居の北条氏政(高嶋政伸)。俳優・高嶋政伸の演技には鬼気迫るものがある。

板部岡江雪斎(山西惇)には、誰よりも戦を意識しているのを見透かされてしまった。和歌を詠み、蹴鞠をして平静を装ったが無駄だった。

窶れを薄化粧で隠し、体臭を隠すために香を炊いているのすらバレてしまった。氏政(高嶋政伸)は、ひとつき風呂に入っていない設定になっている。

何かに怯えて、疑心暗鬼になっている北条氏政を演じている高嶋政伸の演技が素晴らしい!

風呂で殺された武将といえば、太田道灌・源頼家・源義朝を思い出してしまう。これらの武将を思い出したのは、管理人だけではないだろう。

そして第24話のタイトルは「滅亡」だ。北条家中は、家臣の裏切りなどにより崩れていく・・・。

北条氏政。早雲より四代目、関八州の覇者たる誇りと自信を背負い込む
北条氏政。大河ドラマ「真田丸」では徳川家康演じる内野聖陽が「早雲より四代目、関八州の覇者たる誇りと自信を背負い込む」と評している。父は名将と評された北条氏康。そして氏政は隠居の身であったが、小田原北条氏を滅亡させた事実上の当主としてのレッテルがついてまわる。後北条氏4代当主・北条氏政とは・・・。

忍城水攻め

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治部殿(山本耕史)が忍城攻めの総大将となった。忍城水攻めに苦労している治部殿を山本耕史が、うまく表現している。

忍城とは、所在地が埼玉県行田市、映画「のぼうの城」(野村萬斎主演)で有名な成田氏の居城である。

結論を言うと忍城水攻めは失敗する。忍城が開城するのは本城・小田原城の北条氏が降伏したからだ。そして豊臣方は数ある北条氏の支城の中で忍城だけ落とせなかった。

忍城水攻め失敗により、治部殿は「戦下手」のレッテルをはられたりしている。

ドラマでは忍城水攻めは「殿下の意向」と、はっきり治部殿が言っている。これは興味深いし、嬉しかった!

水攻めのために築いた堤防は、「石田堤」として一部現存している。

のぼうの城、石田三成が落とせなかった行田市忍城と成田氏
映画「のぼうの城」を見る機会があったので、行田市忍城について調べました。おもに成田氏と忍城の戦いについての記事投稿をします。忍城の戦いは日本三大水攻めの一つに数えられる。石田三成が落城させることができなかったあの戦いである。つけくわえるならば豊臣秀吉の小田原攻めの最中の戦いである。忍城を治めていたのが成田氏です。
石田三成。三献茶から佐和山城主、五奉行の一人~関ヶ原の戦い
石田三成は秀吉が天下人になると秀吉の子飼いから次第に台頭する。確かに三成は槍働きの武将ではない。忍城水攻めの失敗から戦下手のイメージもある。秀吉の子飼いでも福島正則などとは正反対の武将だ。歴史とは勝者が都合よく伝えたものがほとんどである。三成の研究が進むことを望む。でもなんだろう石田三成のことを思うと切なくなる・・・。

小山田茂誠殿が再登場

源次郎信繁(堺雅人)が会った予期せぬ人物とは小山田茂誠(高木渉)だ。

まつ(木村佳乃)が第五話「窮地」で琵琶湖に身を投げ、自分はここで待っているといってから久方ぶりの登場である。

管理人は、この日を心待ちにしていた!同じ気持の人がたくさんいると思う。

史実での小山田茂誠は武田家滅亡後、北条家に仕えている。北条家滅亡後は、真田家に戻り、そのまま真田家に仕えている。

のち小山田家は松代真田家の次席家老にまでなっている。

何にしても茂誠殿(高木渉)の再登場は嬉しい限りであり、史実通りにいってほしいものだ。

まつ殿(木村佳乃)が、どんなに喜ぶことか。

真田信繁(幸村)が最後の手紙を送った義兄・小山田茂誠とは?
小山田茂誠は真田信幸(信之)、真田信繁(幸村)の義兄になります。真田信繁(幸村)の最後の手紙が小山田茂誠に宛てた手紙になります。正室は真田昌幸の長女で、信幸(信之)、信繁(幸村)の姉・村松殿。小山田信茂刑死後、いったんは北条氏政に仕えるが、その後真田昌幸、信幸(信之)に仕える。そして真田松代藩の次席家老を代々つとめる。
真田昌幸の長女、真田信繁(幸村)の姉、小山田茂誠の正室・村松殿
「真田丸」では松という名で女優・木村佳乃が演じてます。正式には、真田昌幸の長女、真田信繁(幸村)の姉、小山田茂誠の正室・村松殿である。子に小山田之知がいる。武田家滅亡後、真田家が織田信長に臣従した際、安土に真田昌幸は娘を人質として送っている。それが村松殿であった可能性がある。「真田丸」と同じですね。
大河ドラマ「真田丸」第五話「窮地」レビュー
大河ドラマ「真田丸」第五話「窮地」レビュー記事です。本能寺の変で織田信長は死んだ。大きな後ろ盾を失った真田家は、またもや窮地に立つ。一方、徳川家康も窮地に立っていた。家康は、岡崎城へ帰還する方法を模索し、「伊賀越え」を決意する。人質となっていた信繁の姉・松を救い出すべく、信繁は安土からの脱出を試みるのだが。。

大河ドラマ「真田丸」第23話「攻略」レビュー

出浦昌相(寺島進)が、かっこいいセリフを決めた。これは出浦昌相(寺島進)の名言集に入るだろう。

「乱世にしか生きられない男もいるのだ」

これは出浦(寺島進)自身であり、安房守(草刈正雄)の事を言っているのだと思っている。

北条と手を組み、秀吉(小日向文世)を倒すなどと、あまりに物騒なことを言ってるので、佐助(藤井隆)は源三郎信幸(大泉洋)によって遠ざけられてしまった(笑)。

出浦(寺島進)もかっこよかったが、源三郎信幸(大泉洋)も良かった。当主としての器に育っていく様が、よく描かれている。

そして弟・源次郎信繁(堺雅人)。黄母衣が映えます。

母衣について少し書く。

母衣をかけた武者の首は獄門にかけてはならなず、母衣を身に着けているのといないのでは首の扱いに待遇の差があった。

源次郎信繁(堺雅人)は、すっかり本多正信(近藤正臣)・板部岡江雪斎(山西惇)の年寄りの気持ちを掴み、気に入られてしまった。なんと北条氏政(高嶋政伸)説得の大役を務めることとなった。

史実では黒田官兵衛の助言で北条家は降伏しているとの記録がある。感謝の気持ちとして官兵衛は北条家より北条家伝来の名刀「日光一文字」と「吾妻鏡」を贈られている。

大河ドラマ「軍師官兵衛」でも名シーンとして描かれている。岡田准一の演技に注目!

制作側も、思い切ったことをしたものだ。まあ娯楽歴史ドラマだから、ありはありなのだが・・・。

出浦昌相(盛清)。森長可の信濃脱出を助ける甲州透破(忍者)の統率者
「真田丸」では俳優・寺島進が演じてます。寺島進がカッコいいのか、出浦昌相がカッコいいのか・・・。清和源氏信濃村上氏の一族なんですね。甲州透破(忍者)の統率者。「真田丸」でもまさに「素っ破」。織田家が信濃から撤退した後は、真田家に仕えます。子・出浦幸吉は、松代藩の家老になります。
真田信幸(信之)と本多平八郎忠勝の娘、正室小松姫
弟真田信繁(幸村)と違って地味な印象がある真田信幸(信之)。しかし関ヶ原の戦い、大坂の陣を乗り越え真田家を残すのは真田信幸(信之)である。そして信幸(信之)の真田家は幕末まで残り、明治維新をむかえる。その血筋は現在まで残る。信幸(信之)の正室は本多平八郎忠勝の娘、小松姫である。この二人に焦点をあてて記事投稿をします。
板部岡江雪斎。北条三代の外交僧、北条滅亡後は秀吉・家康に仕える
北条三代(氏康・氏政・氏直)に仕えた外交僧・軍師である板部岡江雪斎。後北条家滅亡後は豊臣秀吉・徳川家康に仕えている。千利休の高弟・山上宗二と交流があり、和歌・茶の湯にも造形が深かったと言われる。愛刀の江雪左文字は国宝であり、執権・北条氏(北条時行)の子孫とされる。

大和大納言

久しぶりに登場したと思ったら大和大納言殿(千葉哲也)は、すでに病を患っていた。そうだよね~小田原征伐だもんな。

史実でも大和大納言殿は、病のため小田原征伐に参戦していない。そして大和大納言殿の寿命も残り僅か・・・。

大和大納言殿の人望で食い止めていたものが、ほころびになって表面化する。すでに豊臣家は破滅への道を進んでいるのかもしれない。

大和大納言殿の寿命が尽きるのが残念でならない・・・。

豊臣秀長。兄・秀吉を支える豊臣家の良識、大和宰相~大和大納言
羽柴(豊臣)秀長。兄・秀吉を支える豊臣家の良識。もとは尾張国中村生まれの百姓である。兄・秀吉が天下人になると100万石を超える大大名になった。領地と官位から大和宰相、大和大納言と呼ばれた。豊臣政権では政権運営の調整役であり、政権の安定には欠かせぬ人物だった。また秀吉に異を唱え制御できる唯一の人物であったのだが・・・。

山上宗二とは?

真田丸本編とは関係ないが。ここで山上宗二(やまのうえそうじ)について。

千利休の高弟である山上宗二。茶匠としては豊臣秀吉に仕えてるが、二度までも秀吉によって追放される。著書には「山上宗二記」「茶器名物集」「茶の湯珍書」がある。小田原征伐のおり、またもや秀吉の怒りを買った。三度目の追放はなかった・・・。

記事投稿しているので、よろしければ参考にしてみてください。

山上宗二。秀吉に追放され、北条氏に仕える。著書「山上宗二記」
千利休の高弟である山上宗二。茶匠としては豊臣秀吉に仕えてるが、二度までも秀吉によって追放される。著書には「山上宗二記」「茶器名物集」「茶の湯珍書」がある。小田原征伐のおり、またもや秀吉の怒りを買った。三度目の追放はなかった・・・。

「真田丸」第23話「攻略」視聴率

堺雅人主演の大河ドラマ「真田丸」第23話「攻略」が2016年6年12日放映された。平均視聴率は18.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

前回より2.3%の大幅アップです。この調子でいってもらいたい。第24話「滅亡」は北条家のクライマックスですので20%の大台も見えてきます。

「早丸」と呼ばれるBS視聴率は4.9%で好調をキープ。

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まとめ

源次郎信繁(堺雅人)と小山田茂誠(高木渉)が、思わぬ再会を果たすところでドラマは終わった。

第24話のタイトルは「滅亡」。もちろん展開として北条家の滅亡を指しているのはわかる。

しかしドラマのエンディングは大坂夏の陣だ。豊臣家の滅亡を描く。そして真田信繁の死も・・・。

そればかりでなく現在登場しているキャラクターの殆どが死んでいってしまう。それを思うと切なくなってくるのは管理人だけだろうか・・・。

それでは感謝の気持ちでしめます。いつもありがとうございます・・・。by aki(@aoplanning_com)

お読みくださってありがとうございました。それでは。

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